「手に当たった=即ハンド」だと思っていませんか?
サッカーを見ていて
「今の、手に当たったのに反則じゃないの?」
と感じたことはありませんか?
実はそれ、間違いです。
サッカーのハンド判定は
「手に当たったかどうか」だけで決まるものではありません。
むしろ審判が見ているのは、
**当たった“状況”と“意図”**なんです。
ハンド判定の基本は「不自然かどうか」
現在のルールで最も重要なのは、
腕や手が“不自然な位置”にあったかどうか。
例えば
・体を大きく見せるように腕を広げていた
・ブロック目的で腕を使っていた
こうした場合は、
意図的でなくてもハンドを取られる可能性があります。
逆に、
・腕を体の近くに畳んでいた
・走行中の自然な動作だった
この場合、手に当たっても反則にならないことが多いのです。
じゃあ、ハンドってどこからだと思います?
「肩? 肘? それとも二の腕?」
ここも、実は多くの人が勘違いしやすいポイントです。
現在のサッカールールでは、
**肩の付け根より下が“ハンドの対象”**とされています。
つまり、
・肩の上部(Tシャツの縫い目あたり)に当たった場合
→ 基本的にハンドではありません。
・肘から下、二の腕に当たった場合
→ 状況次第でハンド判定の対象になります。
この基準が導入された理由はシンプルで、
判定のブレを減らすため。
「どこまでが腕なのか」を明確にしないと、
毎試合、毎プレーで議論が起きてしまうからです。
ただしここでも重要なのは、
やはり 腕の位置と動きが“不自然かどうか”。
当たった場所だけで、
機械的に決まるルールではありません。
「避けられたかどうか」も重要な判断材料
もう一つの大きなポイントが、
そのボールを避ける余地があったかどうか。
至近距離から強いシュートやクロスが飛んできて、
反射的に手に当たった場合。
これは避けることがほぼ不可能です。
このようなケースでは、
「偶然性が高い」と判断され、
ハンドを取られないことがあります。
ゴールや決定機に関わる場合は別
ただし、例外もあります。
意図的でなくても、
ハンドが直接ゴールにつながった場合や
明らかな決定機を手で防いだ場合は、
反則になることがほとんどです。
これは
「不公平な得点や阻止を防ぐため」。
試合の公平性を守るためのルールです。
なぜハンドは分かりにくいのか?
ハンド判定がややこしい理由は、
状況判断が多いルールだからです。
・腕の位置
・選手の動き
・距離とスピード
・攻守どちらか
これらを瞬時に総合して、
審判は判断しています。
そのため、
同じように見える場面でも
判定が変わることがあるのです。
VARが入っても「主観」は残る
VARが導入されても、
ハンド判定が完全に統一されたわけではありません。
映像で確認できても、
「不自然かどうか」という判断には
どうしても主観が入ります。
だからこそ、
ハンド判定は今も議論が絶えないのです。
ハンドは“結果”ではなく“行為”を見るルール
ハンドは
「手に当たったか」ではなく
**「どう当たったか」**がすべて。
この視点で試合を見ると、
これまでモヤっとしていた判定も
少し納得できるようになります。
次に試合を見るときは、
ぜひ選手の“腕の位置”にも注目してみてください。