雑学

なぜPKマークは“11m”なのか?|意外すぎる距離の誕生秘話

サッカーでは当たり前に見えるPK。しかし、なぜ距離が11mなのか? と聞かれると説明できる人は多くありません。
実はこの11mには、深い歴史と計算が隠されています。そこで今回は、PK誕生の背景から距離が決まるまでの流れを詳しく解説します。

 

PKは最初から存在しなかった。しかし、問題が起き始めた

サッカーが生まれた19世紀初期、実はPKという制度そのものがありませんでした。
ところが、試合が進むにつれて不公平なプレーが増えていきます。

  • ゴール前での“わざとハンド”

  • 決定機を潰す“悪質ファウル”

これらは、当然ながら試合を大きく左右します。
そのため、「重大な反則に対して強い罰則が必要だ」という声が世界中で高まることになります。


1891年、ついにPK制度が誕生。しかし距離は未決定だった

そこで1891年、初めてPK制度が導入されました。
とはいえ、導入当初はまだ距離が決まっていませんでした。

「近いと簡単すぎる」
「遠いと罰として弱い」

こうして距離の設定は、議論が必要な大問題になっていきます。


候補に上がったのは10m・11m・12m。では、なぜ11mなのか?

議論を重ねた結果、最終候補は以下の3つになりました。

  • 10m

  • 11m

  • 12m

ここで重要なのが、当時のゴールサイズやキーパーの反応速度です。
なぜなら、これらの要素がPK成功率に直接関わるからです。

さらに、罰則として妥当であることも必要でした。
簡単すぎてもダメ、難しすぎてもダメ。

こうした検証を経て、
「GKがギリギリ触れるか触れない絶妙な距離」 として11mが選ばれることになったのです。


一方で、イギリス式“12ヤード”の影響も大きかった

しかし、距離が11mになった理由はもう一つあります。
サッカー発祥国イギリスでは、距離の単位が“ヤード”でした。

そのためPKは 「12ヤード」 と定められ、
これをメートル換算すると 約10.97m=11m になります。

つまり、歴史的にも文化的にも11mが自然な選択だったと言えるのです。


まとめ:11mは、計算し尽くされた絶妙な距離だった

PKの11mは、単なる数字ではありません。
むしろ、

  • 不公平を正すための制度

  • GKの反応とゴールの大きさのバランス

  • イギリス式12ヤードの文化

  • 公平性と緊張感の両立

といった複数の要素が絡み合って決まった、非常に理にかなった距離なのです。

だからこそ、今でもPKは“11m”として世界中で統一され続けています。

 

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